雲が描いた月明り|第15話あらすじ|「真実のような嘘」

雲が描いた月明り|第15話あらすじ|「真実のような嘘」

 

第15話の主な登場人物

 

世子(イ・ヨン) 消えたサンノムを愛し、婚礼を先延ばしにし続けている。
サンノム(ホン・ラオン) 宮殿から去るが逆賊の娘とわかり、隠れている。
キム兄(ビョンヨン) 白雲会の間者でもあるが、世子とサンノムを守ろうとする。
領議政 朝廷の実権を握る実力者。金氏家門の長。
尚膳 宮殿の内官を束ねる内侍府の長。実は、白雲会の長でもある。
王妃 領議政の娘。娘を産むが秘密にし、別の男の子を大君として据える
ホン・ギョンレ 10年前に都を騒がせた反乱の首謀者。サンノムの実の父。
第15話あらすじ

 

 

サンノムを抱きしめる世子。
そして…、サンノムの顔を見つめる。

 

 

「お前がいう言葉だけ信じる。どんな嘘でも信じるから
…お前が私に見せた姿は、本物だったのか?」

 

世子の言葉に、戸惑うサンノムだったが、
「申し訳ありません…世子様」そういって目をふせてしまう。

 

サンノムの腕を取り、世子が話そうとした瞬間。

 

 

キム兄が飛び込んできた。

 

「世子様の判断が正しかったようです。
早くお逃げください」

 

 

すぐそこに、大臣らが引き連れた衛兵が迫っていた。兵たちが、扉を開け、大臣が踏み込む。
そこにいたのは、後ろを向いた世子一人。
踏み込んだ衛兵たちが、世子に刀を向けるが、その瞬間、世子側からも衛兵たちが現れた。

 

 

ゆっくりふりむく世子。
「なぜ、そなたがここにいるのだ?」

 

驚く大臣らを横目に、この横暴を咎める世子。
「偽の手紙で罠にかけようとしたのが誰なのか。気になってここに来てみたのだが?」

 

 

大臣は慌てながらも、
「私は、組織の逆賊と通じている者がいるとの知らせを受けて、ここへ来たのです」と取り繕う。

 

 

「恐れ多くも、王世子に謀反の罪を着せるつもりか?
真の犯人をつかまえよ。それだけが、お前が助かる道だ」と世子が言い放つのだった。

 

***

 

 

東宮殿に戻った世子。
実は、机の上に置いてあった手紙を怪しんで、準備していたのだった。
サンノムは、キム兄が逃がして無事。安全なところに隠したという。

 

「そこがどこかは、教えてくれぬのか?」という世子。

 

「世子様が知れば、あのものが苦しみます」
キム兄の言葉に、言葉がつまる。

 

「私が、ラオンを一番苦しめる者になるとは…」

 

先ほどの別れ際のサンノム(=ラオン)の言葉を思い出す世子。

 

「世子様、私がどこにいるのか聞かないでください。
私について、どんなことを聞いても、揺らがないでください。私もこれからそうしますから」

 

その意味を測りかねて、腕をとった世子だったが、
サンノムは、それを振り切ったのだった。

 

***

 

一方、白雲会では、引き続きサンノムの行方を捜していた。
事件の夜、その場にいたキム兄に、サンノムの行方を聞くが、
キム兄は「わからない」という。

 

そして、もう1つの問題。今回の事件では、尚膳の名が使われたこと。
これで、サンノムを呼び出したということは、組織内部に裏切り者がいると、勘づく尚膳なのだった。

 

***

 

東宮殿の世子。
世子の机に手紙を置いた女官を見つけ出し、手紙を預けたものを訪ねていた。

 

「見ず知らずの男で、手紙を置くだけでよいと、2両もらった」という女官。
顔を覚えているという。

 

世子は、図書署(宮殿の絵描き部署)の人間を呼び出し、似顔絵を作成するよう指示するのだった。

 

***

↑白雲会を裏切った人。

 

その夜、領議政の屋敷に集まる大臣たち。そこには、白雲会の裏切り者も来ていた。

 

「お互いを信じているわけではないが、金のチカラは信じる」という裏切り者に、土地の権利書を渡し、新たな指示を出す領議政。

 

「ホン・ラオンを捕らえてくるのだ」

 

 

その足で、サンノムの家に向かった裏切り者。
口をふさいで連れ去ろうとするが、そこにキム兄が現れ、失敗する。

 

 

逃げる際に、キム兄に、顔を見られてしまう。

 

大臣の屋敷に逃げ戻った裏切り者だったが、キム兄が追ってきて刀を突き付ける。
「あなたが、うらぎったのですか?」と咎める。

 

「これが発覚すれば、お前も尚膳も困るだろう。
世子に白雲会の間者だったと知られたくないだろう」といわれ、一瞬ひるむキム兄。

 

そこへ、やってきた衛兵たちに囲まれる。
女官の記憶をもとに書かせた似顔絵の犯人(=目の前の裏切り者)を捕らえにきた兵たちだった。
キム兄が世子の護衛長だと気づいた兵たちは、犯人だけを捕らえる。

 

***

 

 

宮殿で、王妃に挨拶する領議政とユンソン。大君の誕生を喜び、大君を腕に抱く。
喜ぶ王妃を見て、「本当にそんなに嬉しいのですか?」とたしなめるユンソン。

 

実は、王妃が捨てた本物の娘は、ユンソンが助け、妓房に預けていた。
まだ、ユンソンだけの秘密だが、その様子を怪しむ領議政なのだった。

 

***

 

翌日の朝廷。
「先日私を陥れようとした犯人を捕まえた」と告げる世子。

 

驚く大臣たちを前に、宣言する。
「ある者にけしかけられたそうだ。今回は全員がいる前で裁くことにする」

 

***

 

 

一方のサンノム。
家を突き止めた尚膳が訪ねてくる。

 

サンノムの父とは古くからの同志だったという尚膳。
父の意思を継ぎ、同志に加わるよう促すが、にべもなく断るサンノム。

 

「世子様のためか?」と問う尚膳が、宮殿での世子の様子を伝える。
「寝ることも、食べることもままならない」と聞くサンノム。
心が痛む。

 

「絡み合った糸が、解くことができないほど、絡み合ったのなら。
そのほどけないつなぎ目は、未練なく断ち切ってしまうべきだ。それが、世子様のためでもある」と諭すのだった。

 

***

 

 

牢につながれている犯人。その口を封じることを、決意する大臣たち。
その夜、牢に医官を連れていき、殺害しようとするが…。

 

 

「ここで何をしているのだ?」そこに、世子が現れた。
とっさに取り繕う大臣たちだったが。。。

 

「今回の罪人の顔は誰にも知らせておらぬ。
なぜ、目の前のこの者が犯人だとわかったのだ?」と痛い所をを突かれる。

 

うろたえる大臣を前に、「直接聞けばわかるだろう」という世子。
寝ている罪人を起こそうとすると…すでに、その罪人は死んでいた。
この場にいる誰もが、驚く。

 

「また、尋問の前に人を殺したのか?!」
激高する世子だったが、今回の件は、本当に大臣らもわからない事態だった。

 

***

 

 

肝心の犯人が、取り調べの前に殺されていたことで、落ち着かない朝廷。
その日は、領議政の姿がなかった。
「領議政が来ていないようだが?」と問う世子。

 

 

そこへ、平服の領議政が入ってくる。
世子の前に来ると、官服を差し出し、「辞職する」という。

 

「罪人の汚名を着せられては、とても職務を続けることなどできない」という領議政。
同調して、辞職すると口をそろえる大臣たち。

 

 

「辞職以外」の責任の取り方を考えるよういう世子に、
「身の潔白を信じて頂けるなら、ホン・ラオンを捕えてきましょう」という領議政。

 

 

その日の内に、町中にサンノムの似顔絵が張り出され、
サンノムは、罪人として追われる身となるのだった。

 

***

 

 

東宮殿で、月を見上げる世子。
そばには、サンノムの似顔絵がある。横に控えるキム兄。

 

「これ以上、都にはいられないでしょう」
そういうキム兄に、「どこかへ行ってしまうと?」という世子。

 

「あの者は、責めることも、頼むことも…。私のことを、気にすることもないのか?」
答えられない、キム兄。

 

「あの者は生きているのか?」
そういって振り向いた世子は、キム兄に頼みごとをする。

 

 

「ビョンヨン(=キム兄のこと)、何も聞かぬといったのは忘れてくれ。
一度だけ、会わせてくれないか?」

 

***

 

 

尚膳の言葉が、頭から離れないサンノム。
落ち込むサンノムに、
「どこか遠く、誰も知らないところへ行って暮らさない?」と提案する母。

 

「そうね。行こう。ほかのどこかで暮らそう」と同意するが、
その前にすることがあるというサンノム。

 

「ちゃんと別れること。私がいなくても、幸せになれるように。
私の場所に他の誰かが来れるように…」

 

そういうサンノムに、「未練が残らないように?」と聞く母。

 

「いいえ。私に申し訳ないと思わなくなるように」
そう答えると、涙が見えないように、母に胸に顔をうずめるサンノムなのだった。

 

***

 

 

ある屋敷で、世子が一人、サンノムを待っていた。

 

 

入ってきたサンノムを見て、微笑む世子。

 

 

「ラオン」と名前を呼び、近づくが、サンノムの様子がおかしい。

 

 

「なぜそのように、警戒するのだ?私がお前を危険にさらしたのか?」
と、心配する世子。

 

力を振り絞って、声を出すサンノム。
「世子様のそばにいる今が、一番危険なのです。
世子様の一言で、今すぐとらえられる身です」という。

 

 

その言葉に驚く世子が、さらに近づこうとすると、サンノムが短刀を突き付けた。

 

 

愕然とする世子。
「その刀を降ろすのだ。お前を傷つけたりしない。
こんな意味のないことを、しなければならないのか?」

 

その言葉に、「何も知らずにいたときとは、多くのことが変わった」というサンノム。
わざと、父の話を持ち出す。

 

 

「父の反乱のせいで王様が病気になり、世子様もうらんでいるはずです。
でも、私も同じです。父を逆賊にし、殺したのは誰ですか?」

 

声を荒げていうサンノムだったが、構わず近づいてくる世子にうろたえる。

 

 

そして、世子が、刀を手にしたサンノムの手を握り、、、、
刀を自分に向けた。

 

驚くサンノムだったが、世子はそのまま、刀を自分の手首に近づけ、
自分の腕輪を切ってしまう。

 

 

バラバラと飛び散る石。床に落ちた短刀。
それを見て、世子を見上げるサンノムに、世子が言った。

 

 

「何を言おうと、すべて信じるといっただろう?お前の嘘を」
世子の目から、涙が一筋落ちた。

 

「わかったから。もうやめるのだ。二度と会おうとはいわぬ」

 

 

そういうと、世子は、静かにその部屋から出ていくのだった。

 

***

 

 

ついに、世子の婚礼の日。
宮殿では、朝から忙しく準備が続いていた。

 

 

婚礼服を身に着けながら、サンノムのことを思い出す世子。
あの楽しかった日々は、もう帰らない。

 

 

サンノムも、小高い山から、遠く宮殿を見つめていた。
想いを断ち切るように。

 

ようやく家に戻ると、母が脱力して座り込んでいた。
実は、ほんの少し前に、母の目の前に、ある人が訪ねてきていたのだ。

 

 

***

 

 

儀式の場に向かう世子。
その行列の前に、あわてた武官が飛んでくる。
王様が倒れたというのだ。

 

 

その理由を尋ねる世子に、「申し上げづらいのですが…」という武官。

 

 

そして、聞いた言葉に、世子も衝撃を受けるのだった。

 

「ホン・ギョンレがつかまりました」

 

第16回へ続く

 

補足

この回で、ユンソンが祖父の領議政に、「ホン・ラオンを愛していること」や、「領議政のような生き方はしたくない」というエピソードもあります。
また、王妃とハヨンの会話で、「世子が元気をなくした理由がホン内官が消えたいせい」と聞いて、何となく、世子の想い人がサンノムだと気づくシーンも!
このドラマは、1シーン1シーンに「感情の移り変わり」みたいな部分がたくさんあって、捨てシーンが少ないのがスゴイところです。

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