雲が描いた月明り|第12話あらすじ|信じればそれが運命になる
第12話主な登場人物
世子 イ・ヨン | パク・ボゴム演じる皇太子。サンノムとついに相思相愛になる。 |
---|---|
ホン・サンノム | 実は女人だが、内官として宮殿で仕える身。世子を受け入れる。 |
キム・ビョンヨン(キム兄) | 世子の護衛で幼馴染。白雲会と世子の間で悩む。 |
キム・ユンソン | 領議政の孫息子。サンノムを愛している。 |
王様 | 金氏一族に朝廷を牛耳られ、世子の味方作りを急ぐ。 |
尚膳(さんそん) | 内官の長。その実は、白雲会の長でもある。 |
サンノムの母 | ホン・ギョンレとの間にサンノムを産むが、娘が利用されるのを恐れて隠れ済む。いまは、茶山先生のもとで隠れている。 |
茶山先生 | 世子が師と仰ぐ存在。サンノムの秘密を知る人物。 |
領議政 | 朝廷を牛耳る実力者。ユンソンの祖父。 |
第12話あらすじ
再会したサンノムと母。
それを嬉しそうに見つめる世子。
実は、サンノムと母を引き合わせる前。
茶山先生に、言われたことがあった。
「もしあの子が母に会えば、世子様が危険にさらされるかもしれない」
サンノムとの幸せも壊れてしまうかもしれないという。
「その危険が何かはわからないが、天輪にそむくことはできません」
そう答えた世子なのだった。
茶山先生の家で、母との時間を過ごすサンノムだったが、
再会を約束して、世子と宮殿へ帰っていく。
サンノムと一緒に来たのが世子だと知り、驚く母。
さらに、世子がサンノムを大事にする様子を見て不安にかられるのだった。
宮殿への帰り道。
突然の雨に、雨宿りする世子とサンノム。
「私が傘を持ってまいります」というサンノムを制止する世子。
「私が、そうしろというとでも?」
そして、2人。雨の中を手をつないで歩きだす。
世子が、袖でサンノムの頭を隠し、走り出すのだった。
東宮殿では、キム兄がある帳簿を世子の机の上に置いていた。
かつて、白雲会が大臣の家から奪った秘密の帳簿だった。
そこへ、帰ってくる世子とサンノム。
キム兄は、見つからないようにそっと部屋を出る。
棚から布を取り出し、世子の顔をふくサンノム。
「風邪をひいてしまいますから」。
その手を握る世子。
サンノムの濡れた帽子をとり、サンノムを抱き上げる。
そのまま、椅子に座ると、サンノムを見つめる世子。
今度は、世子がサンノムの顔を布でふくのだった。
「怖いです」というサンノム。
「何がだ?」と世子。
「とても嬉しくて。幸せ過ぎて…この幸せが奪われてしまったらと」。
そんなサンノムを見て、
「母と会えて、そんなに嬉しいのか?」とほほ笑む世子。
「宮殿の中にも外にも、一緒にいたい人がいるのです。
嬉しいに決まっています」と返すサンノム。
「お前が嬉しければ、私も嬉しい。
でも、私なしでも。
宮殿の外でも、幸せになれるかのようにいわれると、寂しい気がする」
「ご心配いりません。世子様の許しなく、どこへも行きません」
「本当か?」
嬉しそうな世子。見つめあう2人。
東宮殿を抜け出たキム兄は、尚膳と会っている。
「いわれた通り、おいてきました」
先ほどの帳簿は、尚膳の指示だったのだ。
「でも、こんなことが続くと、宮殿の取り締まりがますます厳しくなります。
よいのですか?」と尋ねるキム兄。
「常に近くから、民の審判を受けているということを見せねばならぬ」
尚膳は、実際に行動を起こさねば、隠れる意味もないという。
サンノムのことが心配なキム兄。
ラオン(=サンノム)が、実はホン・ギョンレの娘だということを、
尚膳が、いつ真実を明かすのか尋ねる。
「待っているのだ。世子が手をだせないときを」
その答えを聞いて、ますます怪訝な顔をするキム兄なのだった。
代理摂政の政務をこなす世子。
山のような上書を前に、いらだちを隠せない。
それらは全て、大臣が金で役職を売っていると訴えるものだった。
「どうして今まで、一度も私の耳に入らなかったのだ?」
その問いかけに、「確かな証拠がないものは処理できない」と答える大臣に、
世子は帳簿を取り出して見せる。それは、ひそかにキム兄がおいていった秘密帳簿だった。
「誰かが私におくってきた。
そなたに金を渡したことが、こと細かに書いてある」
顔色を変える大臣。
「そなたを今ここで、罷免する」
そう断じた世子に、あわてた大臣は、公式な調査を待つよう嘆願するが、
既に公式調査を始めているという世子に、うろたえるしかない。
事の顛末を、領議政に報告する大臣。
帳簿は、白雲会に奪われたものだが、
なぜそれが世子の手元にあるのか、わからない。
明快な対応策を決められないところへ、部下から別の報告が入ってくる。
「ホン・ギョンレの娘の名前は、ホン・ラオンだ」と。
その場には、ユンソンも居合わせていた。
ユンソンは、世子と会うために東宮殿へ向かう。
「婚礼の準備の相談だ」と内官に告げるが、世子は書庫にいるという。
書庫へ向かうユンソン。
書庫には、世子とサンノムがいた。
世子の前で、机にうつぶせになって眠るサンノム。
サンノムが目を覚ますと、世子が本で日差しを遮ってくれていた。
「目を閉じていても、私が見えるようだな。
眠っていても、そうして笑うのだから」という世子。
「世子様の夢を見ました。世子様が、初めてラオンと呼んで下さったときの夢です」
書庫に入り、たまたまその言葉を耳にするユンソン。
「ラオン?… ホン・ギョンレの娘のラオン??」
そのまま立ち去るユンソン。
祖父たちが探している娘こそ、サンノムだと気づくのだった。
世子に罷免を言い渡された大臣。
保身をはかるため、世子への反撃を企てている。
ちょうど町を騒がせている白仮面の賊を装い、東宮殿を襲う計画を立てる。
領議政には、報告せずに実行することを決めていた。
「報告しても、止める方ではない」
***
その夜。滋源堂を尋ねる世子。
「ビョンヨン、いるか?」 ※ビョンヨン=キム兄
キム兄は不在だった。
血がついた衣服を見つける世子。
その服を手に取ると、その下から白い仮面が出てくる。
町での乱闘の記憶を思い出す世子。
そこへ、キム兄が帰ってきた。
「ビョンヨン、どこをケガしたのだ?」血がついた服を、キム兄に見せる世子。
昨日の訓練中に誤ってけがをしたと、ウソをつくキム兄。
世子は、白い仮面のことを尋ねるのをためらうのだった。
その頃、尚膳がサンノムの母を訪ねていた。
尚膳の顔を見て、顔を曇らせる。
「これからは私たちがお守りします。数千もの民の命がムダにならないよう、助けてください」という尚膳。
「これ以上、私たちに関わらないでください」と拒絶する母なのだった。
***
町を歩いていたユンソン。
たまたま、そこで領議政の密偵に出くわす。
ちょうど、領議政に報告に行くことがあるという。
「ホン・ラオンを見つけました。いま宮殿にいるそうです」
秘密が暴露されつつあることに驚いたユンソン。
「まだ誰にも報告していないのだな?」と確かめ、一度密偵と別れて、後をつける。
ひと気がなくなった場所で、再び密偵を呼び止めるユンソン。
「忘れていたことがあるのだ」と、近くに呼び寄せると、
一気に密偵を刀で刺し殺す。
懐にある報告書を奪うと、
そこには「ホン・サンノムが、ホン・ラオンだ」と書かれていた。
その夜。ユンソンは、東宮殿の世子を訪ねていた。
サンノムの話だと思った世子は、「その話なら何もいうな」と警告する。
それでも引き下がらないユンソン。
「ホン内官(=サンノム)に必要なのは、宮殿から出ることです。
2人が一緒にいては、世子様も危険です」という。
その危険が何かはわからないが、サンノムを手放す気がない世子。
「そんな言葉に揺らぐなら、最初から始めていない」
そういって、ユンソンを下がらせるのだった。
その頃、宮殿には10人の賊が侵入していた。
東宮殿まで侵入した賊たち。
例の大臣の指示通り、全員白い仮面をつけている。
そして、たまたまお茶を運んできたサンノムを、捉えるのだった。
外の様子がおかしいことに気づいた世子。
「誰かおらぬか?!」と声をかけるが、誰も返事をしない。
刀をとって、扉に近づくと、明らかに賊の気配がする。
一気に扉を開ける世子。
そこにいたのは、賊と、刀をつきつけられたサンノムの姿だった。
サンノムの危険を考えると、戦うことができない。
刀を捨てた世子。
「その子を離せ」
近づいてくる賊の隙をついて、
サンノムの腕をひっぱり、引き寄せる世子。
部屋の隅にサンノムを押しやると、賊と戦い始める。
乱闘になった東宮殿。
果敢に戦うが、相手の数が多すぎる。
そこへ、障子を破って飛び込んできたユンソンが、世子に加勢する。
東宮殿を後にしたとき、護衛の兵の手についていた血を見て、逆賊の侵入に気づいたユンソンが引き返してきたのだった。
世子に向けられた刀を、素手で止めるユンソン。
その姿に驚く世子だったが、サンノムに刀が向けられるのを見て、助けに入る。
乱闘の末、背中を切られ、続いて腹まで刺される世子。
自分を見下ろす白い仮面の男が、キム兄の顔に見えた瞬間……。
本物のキム兄が現れ、世子を助ける。
倒れ込む世子を抱きかかえるサンノム。
世子の名を呼びながら、泣き崩れる。
東宮殿が襲われたことを知った王様。
領議政を呼び出し、事の顛末を相談している。
「これが民に知れ渡れば、民を煽動することになる」。
領議政の言葉に、今回のことは秘密にすることを決める。
実際には、白仮面を装って、東宮殿を襲わせたのが身内の大臣だと知った領議政。
真実を伏せるために、秘密にするよう、誘導したのだった。
東宮殿の襲撃を秘密にすることになり、
世子は、別の場所で医官の治療を受けていた。
「医官以外は誰も入れてはならぬ」という王命が出て、サンノムは世子に会うことができない。
一命をとりとめた世子は、そのことを知り、医官にサンノムを呼ぶよう命令する。
世子の部屋の扉の前。
「世子様。大丈夫ですか?」涙が止まらないサンノム。
「世子様。嬉しすぎて怖いといったのを覚えておいでですか?
世子様が倒れたとき、とても怖かったのです。結局、この幸せも奪われてしまうのだと思いました。
私の手を、絶対に離さないでください。私も絶対に離しません」
そう言って、扉に手をかけるサンノム。
そこに、重なる手。世子だった。
後ろから、サンノムを抱きしめる。
「けしからぬ。私の許可なく、お前の幸せを奪うものはおらぬ」
泣き続けるサンノムを抱きしめながら、世子が言った。
「泣くな。決して、この手は離さぬ」
回復した世子。
東宮殿で、サンノムに通行証を渡していた。
母に会うために、宮殿の外へ出してやる世子。
「日が沈むまでには、私のもとに戻ってくるのだぞ」
サンノムの母がいる、茶山先生の家に、サンノムがやってくる。
母と茶山先生が、話し込んでいた。
「サンノムをこのまま宮殿には置いておけない。
しかも、世子様と思いあっているなんて、それがどういう意味かわかりますか?」
切羽詰まっうたように、思いを語る母。
「この運命から逃れるために、逃げ回り、あんなキレイな子を男として育てたのに。
これ以上、いっときもここにはいられません。
誰か一人でも、あの子がホン・ギョンレの娘だと知ったら!!」
そのとき、扉が開く。そこにいたのは、サンノムだった。
その日の夜。戻らないサンノムを心配した世子。
滋源堂まで来て、帰りを待っていた。
「私を待っていてくださったのですか? 世子様」
サンノムが帰ってきた。
にっこり微笑むサンノムを見て、怒った顔をしていた世子も笑顔になる。
「とてもつらいことがあったとしても、
手を放す相手が、私であってはならない」
そういった世子の言葉が、頭をよぎるサンノムなのだった。
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